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筑紫野市環境配慮に関する要綱について
昨今、市民の環境保全に対する意識は高くなっており、筑紫野の豊かで美しい自然を守り、将来の世代に引き継いでいくためには、「自然との共生」を確保することが必要になります。
私たちが生きていくために経済活動は必要なことですが、その活動の一つである開発事業を行う場合、自然環境や生態系にさまざまな影響を及ぼすことが予想されます。このような開発事業については、計画の初期段階から自主的、積極的な環境配慮を行い、良好な環境保全と創造に努めることが必要です。
筑紫野市では、「筑紫野市環境配慮に関する要綱」を制定しています。一定規模以上の開発事業を行う際には、この要綱で定める手続きをしていただいています。
⇒開発行為および建築行為に係る「筑紫野市開発行為等整備要綱」等のページへ
1 法体系について
(1) 自然環境保全に関する法令・条例と筑紫野市における指定地域
自然環境を保全する法律は、原生林の保全やすぐれた自然の風景地の保護等を目的としたものとして「自然環境保全法」および「自然公園法」が制定されています。また、両方を受け、福岡県条例として、「福岡県環境保全に関する条例」および「福岡県立自然公園条例」が制定されています。
法令
筑紫野市においては、「自然環境保全法」および「自然公園法」による対象区域等の指定はありません。
⇒「福岡県の自然公園<外部リンク>」に関する福岡県のホームページへ
県条例
ア 福岡県環境保全に関する条例
「福岡県環境保全に関する条例」に規定する自然環境保全地域において、開発等の行為は原則禁止されています。筑紫野市においては、自然環境保全地域の指定はありません。
指定地域外(筑紫野市)であっても、開発行為が環境に及ぼす影響等について、3ヘクタール以上の土地開発など一定規模以上の行為については届出が、また、5ヘクタール以上の工場設置など一定規模の行為については許可申請が義務付けられており、その際に、自然環境保全の視点から環境への配慮を求められます。
⇒「福岡県環境保全に関する条例<外部リンク>」に関する福岡県のホームページへ
イ 福岡県立自然公園条例
筑紫野市においては、「福岡県立自然公園条例」に基づき、宝満山や天拝山の地域が太宰府県立自然公園に指定されています。一定の行為については、許可申請や届出が義務付けられています。
⇒「自然公園における規制(許可・届出)<外部リンク>」に関する福岡県のホームページへ
(2) 環境影響評価に関する法令等について
大規模な開発等の事業実施の際、あらかじめ環境に及ぼす影響について評価を行うことが環境の保全上極めて重要です。
「環境影響評価法」および「福岡県環境影響評価条例」により、一定規模以上の開発等については、環境影響評価の実施が義務付けられており、その際に、自然環境保全の視点から環境への配慮が求められます。
⇒「環境アセスメント(環境影響評価)<外部リンク>」に関する福岡県のホームページへ
2 要綱の対象となる事業
筑紫野市環境配慮に関する要綱で定める手続の対象となる事業は以下のとおりです。
(1) 対象事業
筑紫野市環境配慮に関する要綱に定める届出が必要な事業
- 施行区域面積2,000平方メートル以上の土地の区画形質の変更
- 敷地面積2,000平方メートル以上の建築物、工作物の新設、改築
※ ただし、国が定める環境影響評価法、福岡県が定める福岡県環境影響評価条例または開発事業に対する環境保全対策要綱(福岡県)の対象となる事業については、適用しません。
※ 「土地の区画形質の変更」とは、次のいずれかに該当する場合をいいます。
- ア 「区画の変更」とは、道路、水路、公園等の新設または廃止等により、実質的に土地を分割または統合する場合をいいます。したがって、登記上の分筆または合筆に
形式的な土地の分割または統合、塀や柵の設置または除去により単に敷地を分割または統合する行為などは、区画の変更に該当しません。 - イ 「形の変更」とは、高さ50センチメートル以上の切土や盛土を含む一体的な造成工事により、土地の形
状を変更する場合をいいます。 - ウ 「質の変更」とは、農地、山林、池沼等の宅地以外の土地を宅地として利用するなど、土地の有する性
質を変更する場合をいいます。
開発事業に対する環境保全対策要綱(福岡県)の対象となる事業(届け出が不要な事業となります。)
開発事業に対する環境保全対策要綱に適用される開発事業は、
- ア 福岡県環境保全に関する条例施行規則別表第1に掲げる行為
- イ 福岡県環境保全に関する条例施行規則第28条第1号又また第2号に掲げる工場の設置
と規定されています。
福岡県環境保全に関する条例施行規則
別表第1
- 宅地(主として建築物の建築の用に供する一団の土地をいう。以下同じ。)の造成 開発区域の面積が3ヘクタール以上のもの
- 水面の埋立て 埋立ての面積が3ヘクタール以上のもの
- 土石の採取 採取区域(福岡県環境影響評価条例施行規則(平成11年福岡県規則第47号)別表第1の第3号の採取区域をいう。)の面積が3ヘクタール以上のもの(陸域部分で行われるものに限る。)
- 鉱物の掘採 鉱業法第3条第1項に規定する鉱物の掘採で掘採区域(福岡県環境影響評価条例施行規則別表第1)の第4号の掘採区域をいう。)の面積が3ヘクタール以上のもの(露天掘りの方法によるものに限る。)
- ゴルフ場の造成 開発区域の面積が3ヘクタール以上のもの
- スポーツ・レクリエーション施設(野球場、庭球場、陸上競技場、遊園地、動物園、スキー場その他これらに類する施設をいう。)用地の造成 開発区域の面積が3ヘクタール以上のもの
- 墓園(墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第2条第4項に規定する墳墓の集合を包括する一団の土地をいう。)の造成 開発区域の面積が3ヘクタール以上のもの
(工場の設置または宅地の造成その他の開発行為)
第28条 条例第28条第1項の規則で定める工場の設置または宅地の造成その他の開発の行為は、次のとおりとする。
- 硫黄酸化物発生施設を設置する工場(継続的に一定の業務としての物の製造または加工のために使用される施設をいう。以下同じ。)であつて次に掲げるものの設置
- イ 硫黄酸化物発生施設において発生し、排出口から大気中に排出される硫黄酸化物の量(1時間当たりの最大量を温度が零度で圧力が一気圧の状態に換算したものをいう。以下同じ。)が10立方メートル以上である工場
- ロ 硫黄酸化物発生施設において発生し、排出口から大気中に排出される硫黄酸化物の量が増加し、10立方メートル以上となる工場
- 次に掲げる工場(瀬戸内海環境保全特別措置法(昭和48年法律第110号)第5条第1項に規定する関係府県の区域に含まれる福岡県の区域において同項の規定する特定施設を設置する工場を除く。)の設置
- イ 1日の通常の排出水の量が300立方メートル以上である工場
- ロ 1日の通常の排出水の量が増加し、300立方メートル以上となる工場
- 宅地の造成(住宅の用途に供する土地造成に限る。以下この条において同じ。)開発区域の面積が5ヘクタール(標高100メートル以上の土地を含む場合にあつては、3ヘクタール)以上のもの(同一人が、既に造成した宅地に隣接して宅地を造成する場合は、開発した区域と新たに開発しようとする区域の面積の合計が5ヘクタール(標高100メートル以上の土地を含む場合にあつては、3ヘクタール)以上となる場合を含む。)
- 水面の埋立て 埋立ての面積が100ヘクタール以上のもの
- ゴルフ場の造成 開発区域の面積が3ヘクタール以上のもの
(2) 特定対象事業
届出に加えて、事前協議、事業終了時の検査報告が必要な事業。
公共事業
事業内容 | 事業規模 |
---|---|
道路整備事業 | 道路の新設・改良 長さ2キロメートル以上 |
鉄道整備事業 | 新設・改良・移設 長さ2キロメートル以上 |
河川・ため池・砂防等整備事業 | 改修 長さ1キロメートル以上 土地の形状の変更 面積2ヘクタール以上 |
ダム・堤・治山等整備事業 | 土地の形状の変更 面積2ヘクタール以上 |
農業農村整備事業 | 農道の新設・改良 長さ2キロメートル以上 圃場整備 面積2ヘクタール以上 農業用水路の新設・改良 長さ1キロメートル以上 |
林道整備事業 | 林道の新設・改良 長さ2キロメートル以上 |
森林整備事業 | 整備面積2ヘクタール以上 |
公園整備事業 | 整備面積2ヘクタール以上 |
下水道整備事業 | 下水処理場建設 |
水道整備事業 | 浄水場建設 |
廃棄物処理施設整備事業 | 廃棄物処理施設建設 |
工業団地整備事業 | 造成面積1ヘクタール以上 |
住宅系用地整備事業 | 造成面積1ヘクタール以上 |
商業系用地整備事業 | 造成面積1ヘクタール以上 |
民間開発事業
事業内容 | 事業規模 |
---|---|
土取り・採石 | 採取事業の面積1ヘクタール以上 |
資材置場・駐車場等整備事業 | 造成面積1ヘクタール以上 |
産業廃棄物処理施設 | 産業廃棄物処理施設建設 |
建築物建設事業 | 建築延べ床面積5,000平方メートル以上または 土地の敷地面積1ヘクタール以上 |
団地等土地造成事業 | 造成面積1ヘクタール以上 |
※ 備考
建築物とは、建築基準法第2条第1号および第2号で定める建築物をいいます。
工作物とは、建築基準法第88条第1項で定める工作物をいいます。
3 一体的事業とみなされる行為
次のいずれかに該当する行為は一体的事業とみなし、基準面積以上となる場合は対象事業とします。
(1) 同一の事業者等(その地位を継承した者を含む※)が同一の目的を有する同一の
行為を複数年に分けて行うもの
【例1】 株式会社&alpヘクタール;が、宅地整備の目的で、面積1,200平方メートルのA地を平成28年度に、面積800平方メートルのB地を平成29年度に造成を行う場合。
A地 | B地 |
---|---|
1,200平方メートル 平成28年度着工 |
800平方メートル 平成29年度着工 |
↓
A地 | B地 | 合計 | ||
---|---|---|---|---|
1,200平方メートル | + | 800平方メートル | = | 2,000平方メートル |
要綱の対象事業となる。 |
(2) 同一の事業者等(その地位を継承した者を含む※)が同一の目的を有する同一の
行為を接する複数の区域に分けて行うもの
【例2】 株式会社βが、宅地整備の目的で、面積600平方メートルのC地の造成を行い、隣接する面積1,400平方メートルのD地を別事業として、宅地整備の目的で造成を行う場合。
C地 | D地 |
---|---|
600平方メートル 宅地造成事業 |
1,400平方メートル 宅地造成事業 |
↓
C地 | D地 | 合計 | ||
---|---|---|---|---|
600平方メートル | + | 1,400平方メートル | = | 2,000平方メートル |
要綱の対象事業となる。 |
※ 「その地位を継承した者」とは、相続、合併、営業譲渡、会社分割等により権利義務の移転を受けた者です。
4 手続き(民間開発事業における環境配慮)
対象事業に対する手続き
(1) 事業の届出に必要な書類の提出(第4条第2項)
事業者等 ⇒ 環境経済部長
提出時期 事業の概要が決定されたとき
必要書類 2部作成し、環境経済部長に1部提出し、1部を控えとして保管します。
- 事業の概要書(様式第1号)
- 環境特性図該当状況等調査書(様式第2号)
(添付書類) - 事業の位置図
- 周辺地域の概略図
※当ページ下方にある環境特性図(自然環境特性図、都市・歴史環境特性図、生活環境特性図)
(2) 提出された書類から、下に示す諸要素について評価を行います。
- ア 当該事業が、様式第2号に列挙する地域等に直接的な影響を与える可能性の有無
- イ 当該事業が、様式第2号に列挙する地域等に間接的な影響を与える可能性の有無
(様式第2号に列挙する地域等の隣接地が開発事業の計画地となっている場合 等) - ウ 当該事業の緊急性、公益性 等
※ 通常の対象事業の場合、届出のみで手続きは終了しますが、 - ア 特定対象事業の場合(第5条第2項)
- イ 環境に大きな影響を与えると認められた場合(第4条第3項)
に該当するものは、次の手続きが必要です。
特定対象事業、環境に大きな影響を与える可能性がある事業に対する手続き
(1) 特定対象事業に対する事前協議に必要な書類の提出(第6条第2項)
事業者等 ⇒ 環境経済部長
提出時期(第7条) 事業計画の立案または設計内容の検討を行う時期
必要書類(第6条第2項)
- 環境配慮可能性調査書(様式第3号)
(2) 事前協議(第5条第2項)
許認可等の担当部長 ⇔ 環境経済部長
※ 許認可等とは、法令に基づく許可、認可、承認その他これらに類する行為や国・県等の事業で
本市がその手続きに関与する行為をいいます。
協議事項(第9条)
- ア 当該事業の法令等への適合性
- イ 当該事業による環境への影響(影響の範囲、程度 等)
- ウ 当該事業における環境配慮(環境配慮の実施可能性、配慮内容の妥当性 等)
(3) 環境推進委員会等の意見聴取(第10条)
- ア 環境推進委員会による協議(第10条第1項)を行います。
- イ 環境に重大な影響を及ぼすものと考えられる場合は、筑紫野市環境審議会の意見聴取
(第10条第2項)を行います。 - ウ 環境配慮が十分でないと認められる場合は、事前協議の再実施(第11条)となり、「(1) 特定対
象事業に対する事前協議に必要な書類の提出」に戻って、手続きを行っていただきます。
(4) 事前協議結果書(様式第4号)の作成(第12条第2項)
許認可等の担当部長 ⇔ 環境経済部長
(5) 事前協議結果の反映(指導)(第13条第2項)
環境経済部長 ⇒ 事業者等
指導の期間 事前協議の日から10日以内
※ ただし、(3)イの「筑紫野市環境審議会の意見を聴取する」場合は除きます。
(6) 特定対象事業の実施
(7) 環境配慮結果の報告(第14条第1項)
事業者等 ⇒ 環境経済部長
報告時期 事業終了の日から30日以内
検査時の参考資料
- 環境配慮可能性調査書(様式第3号)
(8) 環境配慮結果の報告の確認(第14条第2項)
環境経済部長 ⇒ 事業者等
※「(7) 環境配慮結果の報告」で報告された検査結果について疑義がある場合には、事業を実施した
事業者に対して、次に示す事項に関する確認することができます。
- ア 当初予定されていた環境配慮措置を実施しなかった事情、理由
- イ 当初予定されていた環境配慮措置の内容を変更して実施した事業、理由
- ウ 当初予定していなかった環境配慮措置を実施した事情、理由
- エ その他当初予定されてい当該事業による環境影響に変動を与えると考えられる理由
5 様式集
筑紫野市環境配慮に関する要綱
- 本文<外部リンク>(「筑紫野市例規集」へ)
- 別表[PDFファイル/46KB]
- 様式第1号 事業の概要書 [Wordファイル/37KB]
記入例 [Wordファイル/39KB] - 様式第2号 環境特性図該当状況等調査書[Wordファイル/90KB]
記入例(表)[Wordファイル/81KB]
記入例(裏)[Wordファイル/43KB] - 様式第3号 環境配慮可能性調査書[Wordファイル/109KB]
記入例[Wordファイル/52KB] - 様式第4号 事前協議結果書[Wordファイル/29KB]
※ 「記入例」において、赤字の箇所については、提出する際は黒字で記入してください。
環境配慮事例集
※記入する際には「様式第2号 環境特性図該当状況等調査書の裏面」「様式第3号 環境配慮可能性調査書」を参考にしてください。
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