差別をなくしていくために

記事ID：0018788 更新日：2022年3月3日更新印刷ページ表示

差別をなくしていくために

部落差別とは

　部落差別とは、特定の地域の出身であることなどを理由にしてなされる不当な分けへだてのことであり、十分な教育が受けられなかったり、結婚や就職を妨げられたりする状況を生み出すものです。
　そして、同和問題とは、部落差別によって、学力、就労、健康といった生活の様々な分野において、被差別部落の人たちを不安定な状態に追い込んでいく日本固有の重大な社会問題です。

筑紫野市の現状

　部落差別は今も現存し、悪質な差別発言や卑劣な差別落書き等が発生し続けています。
　特にインターネットの中では、被差別部落の人たちに対する誹謗中傷等があふれています。
　匿名によって書き込まれた間違った情報によって、差別意識が容易に再生産されていく状況は、現実社会の縮図です。
　部落差別はここ筑紫野市においても、残念ながら存在しているといわなければなりません。

筑紫野市部落差別の解消の推進に関する条例

　部落差別の解消に向けて、筑紫野市では、2020（令和2）年3月31日に、「筑紫野市部落差別の解消の推進に関する条例（※1）」を施行しました。
　この条例の中には、一人ひとりが大切にされる社会づくりのために、部落差別の解消が必要であることが示されています。
　そして、この条例を確かなものにしていくために重要なことが、私たち一人ひとりの日々の努力なのです。

差別をなくしていくために

　差別のない社会をつくっていくために、私たちが大切にしなければならないこと・・・
　それは、「人と人とのつながり」です。
　差別が人と人とのつながりを切るからこそ、お互いを認め合うあたたかな関係を育むことが、差別をなくす第一歩となります。
　そして、差別のないやさしさに満ちた社会をつくっていくことが、差別の厳しさを誰よりも知っている被差別部落の人たちの願いであることを、私たちは改めて理解する必要があります。

水平社宣言の思いを引き継いで

　被差別部落の人たちの思いが込められた、日本初の人権宣言と言われている「水平社宣言（※2）」が誕生してから、今年でちょうど100年を迎えます。
　人間を尊敬することによって、あらゆる差別をなくすことをめざすこの宣言の理念は、今も輝きを放ち続けており、「筑紫野市人権都市宣言（※3）」の礎となっています。
　しかしながらその一方で、部落差別は今も存在し、コロナ差別や性的マイノリティへの偏見といった新たな人権課題が表出してきています。
　だからこそ、この大きな節目を一つの契機とし、お互いを尊重しあえる社会を創造していくことが私たちに求められています。
　・・・豊かなつながりの中で誰もが安心して暮らせる社会・・・
　そんな笑顔があふれる社会の実現に向けて、みんなで一緒に成長していきましょう。

※1「筑紫野市部落差別の解消の推進に関する条例」

※2「水平社宣言」
　1922（大正11）年3月3日に行われた全国水平社創立大会において採択された宣言。「人の世に熱あれ　人間に光あれ」という文で締めくくられたこの宣言には、「あらゆる差別をなくし、すべての人たちがいきいきと過ごせる社会をめざす」という思いが込められ、様々な人権問題を解決する運動に影響を与えながら現在に至っています。

※3「筑紫野市人権都市宣言」