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特定外来生物などの外来種について知っていただきたいこと
外来種とは
外来種とは、もともとその地域にいなかった生物のうち、国内、海外を問わず他の地域から人間の活動によって持ち込まれたものです。
一方で、その地域にもとから生息・生育ていた生物を「在来種」と言います。
在来種/環境省絶滅危惧2類「タガメ」
用語の説明(Q&Aのページにリンクしています)
一括りに「外来種」といっても、その中にはさまざまな分類があります。言葉の説明は以下を参照にしてください。
外来種・外来生物って?
特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律、通称「外来生物法」では、生きものを次のように分類しています。
外来種による被害
生態系は、長い期間をかけて作り上げられた食物連鎖や相互利用の関係などが複雑に積み重なり、微妙なバランスのもとで成立しています。ここに外から生物が侵入してくると、生態系が崩壊してしまう可能性があります。
生態系が崩れると、人間や、農林水産業まで、幅広くにわたって悪影響を及ぼす場合があります。
実際に発生する被害の具体例
1.生態系への影響
外来種が持ち込まれることで、在来種を食べてしまう「捕食」や、似た生活を送っている在来種とエサやすみかの奪い合いをして生息地を減らしてしまうことになる「競合」、近縁の在来種との間で雑種を作る「交雑」など、さまざまな影響があります。
生き物たちは、長い進化の過程の中で、生き残るための素晴らしい能力を身につけています。現代の私たちの暮らしには、その能力を活用、研究して発明されたものがたくさんあります。しかし、生き物たちが次々に減ってしまえば、まだ見ぬ能力を見つけて活用することも出来なくなってしまいます。
2.人の生命・身体への被害
外来種の中には、毒をもっている生きものや、咬(か)んだり、刺したりする生きものがいます。また、外来種によって、もともとその地域や国には存在しなかった病気の発症や感染の危険が増えることもあります。
(※外来種だけが危険であったり、在来種と比較して外来種の方が悪いということではありません)
3.農林水産業への被害
外来種が、農作物を食べたり、畑を踏み荒らしたりすることもあります。また、産業の対象となる生き物を捕食したり、危害を加えることもあります。
外来種は、侵入した環境に適応して大繁殖することもあり、対応が難しくなっています。
特定外来生物「アライグマ」
外来種が侵入する原因
外来種が生態系に侵入するときにはさまざまな原因があります。その中のいくつかを紹介します。
1.人が育てていた動物・植物
動物や庭の植物など人間が育てていたものが、野外に放たれてしまうことがあります。
自然の中にいなかったものを意図的に捨てることは絶対にしてはいけません。また、不注意で逃げ出してしまうこともあるので、動物を飼ったり、植物を育てたりするときには、その生きものの一生を管理する、という覚悟と責任が必要です。
代表的なものとしては、アライグマやミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)、セイタカアワダチソウなどがあります。
また、飼っていた生きものが死んでしまった後にも注意が必要です。例えば、カブトムシを飼っていたケース内の土や木を森や川などの自然の中に捨ててしまうと、卵を産んでいたり、ダニなどの他の生きものがついていたりして、外来種が侵入してしまう可能性があります。小さなことかもしれませんが、どの生きものがどのようなきっかけで日本の環境の中で問題になるかはわからないのです。
2.放流(放虫、放鳥など)
コイやホタルなど生きものの放流(放虫、放鳥など)のように一見、よいことのように見えることが、環境に悪影響を及ぼすこともあります。
以前から、その場所にいた生きものの卵や子どもを保護して、ある程度育ててから放つといった方法であれば問題はありませんが、もともと存在しなかった種類や生息していた種でも他地域で生まれた稚魚や苗などを放すことは、生態系が崩れる可能性があるため注意が必要です。
例として、現在の日本で見られるコイは、琵琶湖や四万十川などのごく一部の場所を除き、ほぼすべて外来種(または、在来種との雑種)と言われています。ニシキゴイはもちろんですが、河川などで見られる黒っぽい(ヤマトゴイとも呼ばれる)ものも実は外来種です。つまり、放流されているコイはほとんどの場合、地域の生態系には存在しなかった生きものということになります。
また、種や遺伝的な点での問題だけではありません。コイは、雑食でかつ、たくさんのエサを食べるので、水草や他の生きものの卵など口に入るものをなんでも食べてしまいます。その結果、他の生きものたちが食べつくされてしまうことにもなります。ブラックバスやミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)などの外来種と同様の問題です。
外来種による被害を予防する為に
環境省では、外来種による被害を未然に防ぐため、外来種被害予防三原則を提唱しています。
- 入れない 悪影響を及ぼすおそれのある外来種を自然分布域から非分布域へ「入れない」。
- 捨てない 飼養・栽培している外来種を適切に管理し、「捨てない」(逃がさない・放さない・逸出させないことを含む)。
- 拡(ひろ)げない 既に野外にいる外来種を他地域に「拡(ひろ)げない」(増やさないことを含む)。
ペットを飼う前に
自然界で見つかる外来生物の中には、もともと人間の都合でペットとして連れて来られ、飼いきれなくなって捨てられたものもいます。飼い主にはペットを飼い始めたら死ぬまで面倒を見る責任があります。
1つの生きものの命に最後まで責任を持つと言うのは非常に大変なことです。ペットを飼う前には、以下のような点についてよく調べておきましょう。
- どのくらいの大きさになるのか
- どのくらいの期間を生きるのか
- 長期的にどのくらいの費用が必要なのか
- 大人になって気性が荒くなったりしないか
- 繁殖して増えすぎたりしないか など
外来種を見つけたら
筑紫野市内で、外来種を見つけた場合は、情報の蓄積のために環境課までお知らせください。(発見した数、日時、場所、写真)
環境省ホームページ「特定外来生物等一覧」<外部リンク>
関連リンク
- 環境省ホームページ「日本の外来種対策」<外部リンク>
- 福岡県保健環境研究所ホームページ「外来種」<外部リンク>
- 福岡県庁ホームページ「外来種と外来生物法」<外部リンク>
- 福岡県庁ホームページ「福岡県内で確認された特定外来生物」<外部リンク>
- 福岡県庁ホームページ「特定外来生物「セアカゴケグモ」に注意してください。」<外部リンク>
- 福岡県庁ホームページ「特定外来生物「ヒアリ」および「アカカミアリ」に関するお知らせ」<外部リンク>
- 福岡県庁ホームページ「特定外来生物「ツマアカスズメバチ」に関するお知らせ」<外部リンク>
- 福岡県庁ホームページ「外来魚防除マニュアル」<外部リンク>
- 福岡県庁ホームページ特定外来生物アライグマの県内分布」<外部リンク>