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弥生時代の祭祀(青銅製銅戈・隈・西小田遺跡群[光が丘])
水稲耕作が定着した弥生時代には、さまざまな祭祀の儀式が行われていたようです。
隈・西小田遺跡群の人目につかない山間の地中から、弥生時代中期ごろ(約2,000年前)の青銅製の銅戈が23本もまとまって発見されました。クニグニの争いが始まり青銅製の銅剣や銅矛(どうほこ)、銅戈という武器が登場した時代ですが、豊かさを願う鹿の刻印があることから、これらの銅矛は戦闘ではなく祭祀で使うために作られたものであると考えられます。
この遺跡群からは鏡や鉄戈(てっか)、貝輪(かいわ)などを持つ有力首長の甕棺墓(かめかんぼ)も発見されています。首長がクニ・富を守り豊作を願うため、銅戈を大地に捧げる儀式を行っていたのでしょう。
隈・西小田遺跡群出土の銅戈