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海外からやってきた陶磁器4(越州窯系青磁唾壷・堀池遺跡[二日市西])

記事ID:0001980 更新日:2020年11月30日更新 印刷ページ表示

 平成24年に調査された堀池遺跡の平安時代の墓から、副葬品として唐から将来された品であると考えられる、越州窯系青磁の「唾壷」が出土しました。日本では実用性を失い、貴族の《調度品》として用いられていたようです。

 口径14.8センチメートル、頸部径4.9センチメートル、唾壷孔2.4センチメートル、胴部径9.7センチメートル、底径7.1センチメートル、器高9.0センチメートルを測り、扁球(へんきゅう)体の胴部に漏斗(ろうと)状に大きく開いた口頸部が付属した壷形をしています。

 出土状況からみて、棺内の副葬品ではなく、埋葬時に木棺を安置したのち、棺の南西隅に置かれたものと考えられます。何らかの葬送儀礼が行われたのでしょう。

 国内では、破片資料として平城京に1点、大宰府(だざいふ)に2点の出土例があるものの、完品としては初の出土資料です。まさに珍品中の珍品であるといえるでしょう。これをお墓に埋納できたのは、いかなる人物だったのでしょうか。

 この陶磁器の入手経路については、現段階では全くわかりません。遣唐使によって将来されていたものが日本国内で伝世し、被葬者の手に入ったあとに墓に入れられたのか、また、唐や新羅で伝世したものが、平安時代になって日本へ将来されて被葬者の手に入ったのか、想像ばかりがふくらみますが、都ではない地方の古代遺跡で出土した1点の青磁に、秘められたドラマがあるようで興味がつきません。今後、東アジア的な視野に立って総合的に検討すべき、貴重な発見であると考えています。

唾壷

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