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峠山遺跡の古代官道[針摺東]
平成22(2010)年2月、県道福岡日田線拡幅工事に伴って行われた峠山遺跡第3次発掘調査において、古代官道と考えられる幅9メートルの古道跡が検出されました。この道は、長丘(ながおか)駅推定地のある台地から北へ約500メートルの地点で、台地の裾をかすめて大宰府(だざいふ)の方角へ一直線に延びています。
走向から大宰府と豊後国府(ぶんごこくふ)(大分県)とを結ぶ路線であると考えられます。南の台地には長丘駅推定地があり、東方には古代の官衙(かんが)である岡田地区遺跡があって、古代官道がこの付近に集中していることがわかります。永岡(ながおか)の台地には古代の動線が集まっており、大宰府の境界として重要視されていたものと考えられます。
この台地の狭小部を東流する山口川は、宝満川、筑後川と合流して有明海に注いでおり、博多湾側の水城(みずき)から大野城の境界線にも相当する古代水陸交通の要衝であるといえます。
峠山遺跡第3次発掘調査現場(上空から)