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古石塔(市有形文化財)[武蔵]
武(ぶ)蔵(ぞう)寺(じ)境内の「紫(し)藤(とう)の瀧(たき)」のかたわらに、三重の石塔があります。この石塔の台座には「天判峯頭仰彼蒼 願心成満放威光 御衣薫石変成塔 五百年来流水香 正平二十年二月二十五日 願主 大僧都信聡 謹題」との漢詩が刻まれています。
正(しょう)平(へい)20(1365)年は南北朝時代で、大(だい)僧(そう)都(ず)信聡は太宰府天満宮ゆかりの僧侶です。
[漢詩の意味]
「天拝(てんぱい)山頂に立ち、果てしなく拡がる空を仰ぐ。無実を訴えた菅(すが)原(わらの)道真(みちざね)公の気持ちは天に通じ、威光を放っている。道真公の御衣は石を薫らせ、変じて塔となった。道真公が禊ぎをなされたこの瀧の水は、五百年の間、高貴な香りを漂わせている。」