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自然石梵字板碑(市有形文化財)[武蔵]
「板碑」とは、追善(ついぜん)供養や逆(ぎゃく)修(しゅ)供養(生前にあらかじめ死後の冥福を祈って仏事を行うこと)を目的として造られた石製の卒(そ)塔(とう)婆(ば)(板石(いたいし)塔婆)です。中世に盛んに造られました。
この板碑は、武(ぶ)蔵(ぞう)寺(じ)の山門をくぐった右側に建っています。花(か)崗(こう)岩(がん)を粗加工し、表面中央に薬(やく)師(し)如来(にょらい)を表す梵字「バイ」が刻まれています。造立は貞(じょう)和(わ)3(1347)年で、南北朝時代のものです。
由緒はハッキリとしませんが、武蔵寺の創建者である藤(ふじ)原(わらの)虎麿(とらまろ)(虎麿長者)の碑と言われています。
筑紫野市内では最古級の板碑であり、武蔵寺や地域の歴史をたどる上で重要であることから、市有形文化財に指定されました。