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土器に書かれた文字4(墨書土器「けん(人偏に兼)」・岡田地区遺跡[岡田])
岡田地区遺跡では、69点の墨書土器が出土しています。1つの遺跡からこれだけ多くのものが見つかるのは珍しいことです。そのなかで一番多く書かれていたのは、「けん(人偏に兼。以下略)」という文字でした。今まで出土例がないため詳細は不明ですが、「けん仗(じょう)」という古代の官職名を省略して記したものと考えられます。
岡田地区遺跡は、古代官道(かんどう)が通過する大(だ)宰(ざい)府(ふ)東南の要地にあり、要人の護衛や国(こく)司(し)の任務を補佐する「けん仗」という官人が駐屯していた可能性が高いと考えられます。