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子ども用土器(弥生土器壷・日焼遺跡[天山])
「新時代の曲線美」で紹介した小型壷と形はほぼ同じものですが、高さが約58センチメートルとはるかに大きく、棺桶(かんおけ)として使われていました。いわゆる「甕棺(かめかん)」と呼ばれるもので、中に亡骸(なきがら)を入れ、2つの土器を組み合わせて蓋をしていました。土器としては大型ですが、大人が入る大きさではなく、埋葬されていたのは子どもだったようです。サイズは大きくなっていますが、曲線美は失われるどころかむしろ洗練されているといえます。色彩的にも鮮やかな「丹(に)」をまとっています。