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平等寺エヒメアヤメ(市天然記念物)[平等寺]
エヒメアヤメ(Iris rossii Baker)は、中国地方、四国、九州、および朝鮮半島、中国東北部、中北部で、低山地に分布している多年草です。とても小さな可憐な花で、背丈は10センチメートル程度、花は径4センチメートル程の紫色で、春に開花します。別名『誰故草(たれゆえそう)』とも言われます。古くは市内の天山(あまやま)にも自生していたようですが、現在では平等寺だけになってしまいました。福岡県の稀(き)少(しょう)野生生物の一つで、絶滅危惧(きぐ)種となっている貴重なアヤメ科の植物です。
エヒメアヤメは、かつて日本が中国大陸と陸続きであったことを証明する植物の一つと言われ、自生地は各所で天然記念物に指定されています。本市では平等寺地区を中心としたエヒメアヤメ保存会が大切に守り続けています。
地道な保存活動によりエヒメアヤメの株数は増えてきているもののまだ減少の恐れがあり、希少種で盗掘被害が発生していることから、自生地は非公開で保存しています。
平等寺に自生するエヒメアヤメ