【移動市長室とは】 市長が自ら各地域へ出向き、市内で活動する団体やグループと身近なテーマについて対話を行うことで市の情勢や市民のニーズを把握し、今後の市政に生かすことを目的としており、月1回程度実施する予定です。
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通算57回目となる移動市長室を開催しました。秦泉寺会長をはじめ協会会員の皆様5人に出席していただき、紫色をキーワードにしたまちづくりについて懇談を行いました。 「紫プロジェクト」とは、平成19年から筑紫野市商工会で始められた紫をイメージカラーとする特産品開発や景観整備などを推進する事業で、その根幹となったのが、かつて筑紫野に自生していた紫草(ムラサキ)の復活栽培でした。紫草は、栽培が大変難しく現在では絶滅危惧種に指定されています。平成25年に同協会を設立、現在、栽培および紫根搾取、染色の活動などに取り組み、紫を通じたまちづくりを実施されています。 懇談では、出席の皆様から紫草(紫根)についてのさまざまな説明を受けました。 その昔、筑紫野には紫草が咲き、その根は紫色の染料として、朝廷へ納める税の一つであり、都にて冠位十二階の最高位になる紫色の染料に使われていたという歴史がありました。紫草には薬としての効用も認められ、シコニンと呼ばれる成分には消炎、消毒などの効力があり、最近では化粧品としても注目を集めるなど、多くの可能性を秘めているということの紹介がありました。 平成20年頃から市内の農家などに声をかけ、いろいろな方法で栽培を実施、参考になる事例がなかったことから全滅することもあったこと、平成24年に複数の栽培方法を実施し、筑紫野市にあった方法を模索したこと、平成25年にはそれらの成果から独自の方法を確立、平成26年、27年と安定した収穫を得られたことなど、栽培について大変苦労したという報告を受けました。 また、啓蒙普及活動として紫根染め会の実施や催事およびイベントでのPRを行っていること、紫草(紫根)の安定供給の確立や紫根染めの商品化およびブランド化の確立、協会会員の拡大など今後の取り組みの方向性について話を聞かせていただきました。 それから、行政をより身近に感じてもらうため、本年度予算や関連する市の事業について説明を行い、紫色をキーワードにしたまちづくりについての意見交換を行いました。 最後に、紫根染めの実演を見せていただきました。細かく砕いた根をもみ出して抽出した染料で布を染め、ツバキの灰を溶かした液でその定着させる様子は、とても興味深く、鮮やかな紫色は人を引きつける魅力がありました。 懇談の中での提案や意見は、可能なものについては実施に向けて検討を進めるとともに、今後の市政に生かしてまいります。
【市長の一言】 積み上げられた苦労話の一つ一つを聞かせてもらいながら、今日の移動市長室はよかったなと感動いたしました。 一生懸命創意工夫しながら紫草を育てようとしてあるのに、なかなか育たない。それを乗り越えて作ろうとする努力がすばらしい。また、紫根染めについても一作一作がどうなるのかわからず、どうなるのだろうと思って期待して作る、その喜びはもう代え難いものがあるだろうと思いました。 筑紫野市という名前に紫をいただいておりますので、これを大事にしながらまちづくりを進め、皆さん方の努力に負けないようなまちづくりをしていかなければならないと思っております。 筑紫野むらさきまちづくり協会の皆様、本当にありがとうございました。
【議事録】 懇談会の議事録はこちらからご覧ください。(288kbyte)