武蔵寺の境内に、ひときわ目をひく藤が繁茂しています。武蔵寺縁起によると、同寺の創建者と伝えられる藤原虎麿が 「堂塔の盛衰は、この藤の栄枯にあらん」と誓って植えたことから「長者の藤」といわれ、樹齢は700年以上とされています。 慶応元年(1865)、太宰府に西下した東久世通禧(ひがしくぜみちとみ)(五卿のひとり)が、咲きにおう長者の藤を題材に、祖先の華やかな時代を偲んで詠んだ 「藤なみの はなになれつつ みやひとの むかしのいろに そてをそめけり」の歌は、歌碑として山門横に建てられています。 この藤は、武蔵寺の歴史を伝える貴重な樹木であることから、天然記念物に指定されました。 [『筑紫野の指定文化財』より]